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vite

 「性能を数値で見たい!見せたい!」

生産型を造って、実艇が浮いて「なんとなく良くなった」あるいは「なんかパッとしないなあ」では、フネ屋として非常に悔しい。
タイプシップ(既存の比較艇)とどう違うのか。最も簡単で確実な比較方法が、「模型を作って走らせてみる」これがタンクテスト(水槽試験)。

主要目をいじって、VPP(速度予測プログラム)を使ってある程度の予測は簡単にできる。いや、このコンピューターの時代は、もっと高度に(ACクラス並に)流体力の計算だってできる。短時間により多くの船型を設計し評価できるのである。ただしこの方法は、計算するためのデータと、多くの設計に適応されチューニングされたプログラムがあ り、シミュレーション結果が実艇レベルで信頼できるものと確認できて初めて実践できる。つまり、どこかで模型か実物を使って検証しなければならない。

計算は簡単でも、そこへたどり着くまでは簡単ではない。 「水槽」は、別名「スーパー・アナログ・コンピューター」百数十年前に「造船工学」が始まって以来、多くの定数や公式が水槽試験から導かれた。

たった10分、水面を滑る模型をじっと見つめてみよう・・・
進化したヨットが切り裂く波の形、スピードを邪魔する渦がどこにあるのか、どこを直すべきか、見えてくる・・・。

今回使用した水槽は、東京大学の長さ80m船体試験用水槽。新設計艇と共に、タイプシップとなるSEAM31の1/4スケールモデルを製作した。

ACの世界では当たり前の水槽試験。プロダクション艇では、おそらく日本で初めての挑戦である。


開発艇viteは、バウとスターンの形状を複数パターン制作し、そのテスト結果から最適な組み合わせを選択し、実艇に採用した。


viteスケールモデル

Seam31

Viteは、ACTの金井亮浩氏、Marine Design Systemの横山一郎氏、ツボヰヨットの3社に加え、大阪府立大学の田原祐介助教授にもご協力をいただき(ACTとの共同研究)出来上がった。

 


▲80mの長い水槽


▲水槽実験電車のセットアップ

▲ヒール状態の実験

▲実験結果の分析

今回の水槽試験によって、共同開発した新船型(vite)はSEAM31と比べて、造波がはるかに少なく、推進抵抗が10%低減されていることが確認できた。単純にいえば、SEAM31より少ないセールエリアで同じスピードが出せる、少ない力でコントロールができる、ということだ。
さて、より快適なヨットの開発を目指して成功への挑戦は続く。

photo by KAZI

 

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